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「神に祈りゆだねる」

  • junagrace
  • 3 日前
  • 読了時間: 3分

Bible Story

2025年10月19日

・・・ サムエル記Ⅰ 1章

暗唱聖句 ペテロの手紙Ⅰ 5:7

あなたがたの思い煩いを、いっさい神にゆだねなさい。神があなたがたのことを心配してくださるからです。


 その人の名前はハンナといいます。ハンナにはエルカナという夫がいましたが、エルカナにはペニンナというもう一人の妻がいました。ハンナには大きな悩みがありました。それは、子どもがいないということでした。毎年、家族そろって主の家(神殿)に行き、主を礼拝して食事をする日は、ハンナにとってつらい日でした。子どものいるペニンナが、優越感からハンナをいら立たせることをするのです。主の家で喜びや安らぎを得るどころか、いらだちと怒りでいっぱいになるのでした。

 ハンナは思うようにいかない現実の中で深く悩みながら、一番身近な夫にも、それをうまく伝えることができませんでした。苦しみが取り除かれないのは神に見捨てられているのではないかという恐れ、子どもがいないゆえに夫エルカナに申し訳なく思う気持ち、敵対するペニンナに対するいら立ちと怒りなど、様々な感情が入り乱れていたでしょう。解決の糸口を見いだせず、心を痛めていました。

 ハンナはその思いを抱えたまま、激しく泣きながら神に祈りました。それは「募る憂いと苛立ち」からの祈りでした。落ち着いて祈ることはできません。ハンナは自分の気持ちを包み隠さずに神の前に注ぎ出しました。「私の苦しみを見てください、私を心に留めてください」と率直に祈ります。

 不思議なことは、心を神に注ぎ出す中で、ハンナの祈りが一つの決心へとつながったことです。「もし、男の子を与えてくださるならば、その子を主にお渡しします」と誓約するのです。ハンナは、「こうしてほしい」と神に願いつつ、自分自身の心と向き合わされたのでしょう。彼女の心には最初、子どもが与えられたら劣等感から解放され、夫からも信頼を得て幸せになれるはずだ、という思いがあったことでしょう。しかし祈る中で、自分の幸せのために子どもを願うようなことはいけないと思ったのではないでしょうか。だから、もし恵みとして子が与えられるなら、その子を神にお渡しすることに決心したのです。ハンナは自分の悩みを祈りながら、神の御心を求める祈りに導かれたのです。

 祈りを終えたハンナの顔は、以前のようではありませんでした。願ったことは何も実現していませんが、神の平安をいただいたのです。握りしめていた思いや計画を手放して、全てを最善に導いてくださる神に委ねた時、平安が与えられました。

 神はハンナの祈りに応え、男の子を授けてくださいました。その子サムエルが乳離れすると、ハンナは誓いを果たすため、サムエルを連れて主の家に行きます.「私は・・・主に祈った女です」と言いながら、祈りを聞いてくださった神をほめたたえています。祈りの先に、神をほめたたえる礼拝がありました。

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