｢知恵を求めたソロモン｣

Bible Story

2025年8月17日

・・・ 列王記Ⅰ 3章

暗唱聖句　ヤコブの手紙 1:5

『あなたがたのうちに、知恵に欠けている人がいるなら、その人は、だれにでも惜しみなく、とがめることなく与えてくださる神に求めなさい。』

　ダビデ王の次にイスラエルの王様になったソロモンは、父親のダビデと同じように神様を愛して従う王様でした。ある晩、ソロモンの夢の中に､神様が現れておっしゃいました。「ソロモン、あなたの欲しいものを与えよう。願いを言いなさい」

　ソロモンは答えました。「神様、あなたは私を選び、王となさいました。でも、ご覧の通り私はまだ若く、まるで子どものように物事を知りません。そしてこの国は大きく、国民はあまりにも大勢です」。そしてソロモンは神様に願いました。「善悪を判断してあなたの民をさばくために、聞き分ける心をしもべに与えてください。」

　ソロモンの願いをお聞きになった神様はお喜びになりました。ソロモンが自分の幸せのために、お金持ちになることや長生きをすることを求めないで、神様の民を導くために、善悪を正しく判断する知恵を求めたからです。神様はソロモンの願いをかなえるだけでなく、ソロモンが願わなかった富や名誉も与えようと約束してくださいました。ソロモンが神様に従い通すなら、神様は健康で幸せな人生を与えてくださるのです。

　ある日、二人の女性がソロモンの前に来ました。二人は赤ちゃんを取り合って、言い争っています。一人が訴えました。「王様。私とこの人は同じ家に住んでいます。私たちは二人とも同じ頃に子どもを産みました。ところが、この人が寝ている間に赤ちゃんが死んでしまったのです。するとこの人は、私が寝ている打ちに私の赤ちゃんと自分の死んだ赤ちゃんを取り換えたのです。私が朝起きると、隣には私の子どもでは無くて、死んだこの人の子がいたのです」。もう一人の女性が言いました。「いいえ、違います。生きているのが私の子です」。どちらが本当の母親なのか、分かりません。

　二人の話を聞いていたソロモンは家来に命じました。「剣を持ってきなさい。赤ちゃんを二つに切って、半分をこちらの女性に、半分をそちらの女性に与えなさい」。すると一人が真っ青になって叫びました。「王様、おやめください。どおうか殺さないで。その子はあの人にあげてください。決してその子を殺さないでください」。もう一人は平気な顔で言いました。「どうぞ王様のご命令の通りにしてください」

　二人の様子を見ていたソロモン王は、きっぱりと告げました。「その子を『子どもを殺さないで』と願ったこちらの女性に与えなさい。その人がこの子の本当の母親です」。

　ソロモン王のこの見事な判定は国中に知れ渡り、人々は、神様のすばらしい知恵がソロモン王の内に宿っていることを知って感心しました。ソロモン王が、神様に与えられた知恵によって賢く国を治めたので、イスラエル王国は栄えたのです。